株式市場から外国資金220億レアル以上が流出
2024-03-29


ブラジルのメディア28日付によると、ブラジル株式市場から外国資金220億レアル以上が流出しました。米国連邦準備制度(FRB)が3月に利下げを開始し、世界のインフレが落ち着き始め先進国でも早期利下げをするとの期待からブラジル市場へ資金が流入していましたが、それが逃げ出したものです。

 ブラジルの国内総生産(GDP)は予想を上回り、サービスインフレも鈍化を示し、同国はすでに8月から基本金利の引き下げサイクルに入りました。こうした景況感からブラジル株式市場には約400億レアルの外資が流入したと言われます。

 ところが、FRBは、経済活動は「第3四半期に記録した好調なペースから減速している」として、インフレ率が同国の目標である2%に向けて「持続的に推移しているという確信が持てるまで」は金利幅を縮小するのは適切ではないと表明しました。投資家は、米国金融市場はインフレ圧力が高まっているものの金利引下げは6月以降と見て、米国回帰を決めたようです。

 一方、ブラジル国内の景気は堅調と言われますが、公共支出の増加と政府側の歳入の減少で財政状況が悪化しています。しかも、ヴァーレとペトロブラスに対する連邦政府の介入が嫌われ、株価は10%から18%下落し、市場の悪役になりました。こうしたことも、外資がブラジルから逃避する一因になったと見られています。

 今後ブラジル株式市場がどうなるかは海外勢が戻るかどうかにかかっています。海外の投資家の意欲は金利がどのようになるかで左右されることになりそうです。

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