アニメブームに沸くブラジル
2024-05-07


ブラジルは米国とインドに次ぐ 3 番目に大きなアニメ市場のようです。ブラジルのメディア7日付によると、大きなアニメ市場は日本と中国ですが、その2カ国を除けばブラジルは3番めの市場と報じています。

 アニメを消費するための主要なオンライン プラットフォームであるクランチロール社のオペレーションディレクターは、「ブラジルでは日本文化に興味を持つ人が多い。特に古い愛の形がうけている」と語り、日本版アニメの魅力を指摘します。同社はこの機会を活かそうと、サンパウロにチームを設立し、ポルトガル語への翻訳に投資する一方、サンパウロ市で開催される ファン イベントへの参加を拡大しています。

 ブラジルで日本の漫画は1990年代にテレビでブームとなり、新型コロナのパンデミック中に第二次ブームになりました。最初の火付け役は1994 年に テレビ・マンシェッテで放映された「誘拐された妹を探す孤児を描いた漫画」です。この作品のヒットがアニメ「ブーム」を呼び起こしました。当時、日本のアニメ作品は、売上と吹き替えのコストが低く、テレビ局の子供向けの時間帯を埋めるのに最適でした。

 そして、アニメーションが玩具、音楽、イベント、あらゆる種類の商品化などであらたな市場を産み、市場は拡大しました。やがてアニメブームも冷め始めた頃、ビデオゲームを備えた「ポケモン」、「遊戯王」のモンスターなどが学校、ショッピングモール、カードとなってブームが継続することになりました。こうして日本の漫画が爆発的な売れ行きを見せました。

 第一次アニメブームから20年が経過し、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの最中、アニメ市場は新たな転換点を迎えました。パンデミック真っ盛りの時期、米国の年間興行収入総額は80%も急減し、日本の映画館市場も45%減少しましたが、アニメ産業はわずか3.5%の縮小に過ぎませんでした。

 特に若者の間で視聴時間が増加するにつれアニメに対する世界的な需要が急増し、コンサルタント会社によると、アニメコンテンツの需要は2020年から2021年にかけて世界中で118%増加したといいます。クランチロール社も「Z世代(90年代後半生まれ)は、さまざまな場所から、さまざまな物語、異世界へのポータルのようなものを探し始めた。アニメはまさにそれに当てはまった」と、第二次ブームの到来を語ります。

 アニメ関係者は、今後、このブームを維持するにはアニメスタジオの企画力によるといいます。それには、ブラジル市場ならサッカーに関係したアニメを企画するなど、その国の文化に即したものが制作されるかどうかにかかっていると指摘します。

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